インテルの決算の結果
2020年7月23日インテルの第2四半期の決算発表がありました。2020年第2四半期の一株あたりの利益(EPS)は1.23ドル (アナリストの予想:1.11ドル)。売上は197.3億ドル (アナリストの予想:185.5億ドル)。インテルの2020年第3四半期の一株あたりの利益予想は1.10ドル(アナリストの予想:1.14ドル)、売上予想は182億ドル(179億ドル)。インテルの2020年度のガイダンスはEPS:4.85ドル(アナリストの予想:4.78ドル)、売上:750億ドル(アナリストの予想:738.6億ドル)。
EPS | 売上 | 来期EPSガイダンス | 来期売上ガイダンス | 判定 |
1.23 (1.11)🆗 | 19.7 (18.55)🆗 | 1.10 (1.14)❌ | 18.2 (17.9)🆗 | ❌ |
2020年第2四半期の結果はEPS、売上ともにアナリストの予想を上回りました。来期のガイダンスはEPSがアナリストの予想を下回りました。数字は悪くないのですが、7nm製造プロセスの導入が計画より更に6ヶ月遅れるとアナウンスされたことが問題です。このニュースが原因でインテルの株価はアフターマケットで10%下落。この決算はAMDとTSMCには追い風です。TSMCと組んで7nmの製品を既に製造しているAMDの株価はアフターマケットで8%上昇。TSMCも5%上昇。
翌日(2020年7月24日)インテルの株価は終値ベースで-16.24%。AMDは+16.5%、TSMは+9.53%。株価の動きは素直でした。
インテルの今後の見通し
7nm導入の遅れはインテルには致命的になるかもしれません。プロセスのサイズによって性能、電力効率に大きな差が生まれるため(サイズは小さいほど良い)、この差が埋まるまでインテルCPUにはAMDに対する優位性が基本的にない状態になります。この状態が続く限りインテルはシェアを徐々に下げて行くことになると思います。AMDは既に7nmプロセスを使ったCPUを2019年7月から販売していますが、インテルは現在も14nmのCPUを販売しており、現在10nmに移行している段階です。7nmの製品の発売は2022年末-2023年初め頃になるらしいです。また別の問題として、中長期で、AppleやデータセンターはARMへの移行も進めており、このままだとインテルには厳しい未来が待っていると思います。中短期的にはAMDがシェアを拡大すると思います。TSMはARMでも利益を出せるので中長期でも成長が見込める状態にあると思います。
競合他社との時価総額の比較
現在のインテル、AMD、Nvidia、TSMCの時価総額は以下のようになっています。会社の仕組みも違うので単純な比較は出来ませんが、インテルの時価総額はNVIDIAと同程度で、TSMCには既に負けています。
インテル | AMD | NVIDIA | TSMC | ||
2020/7/23 | 255.734 | 69.768 | 249.192 | 332.08 |
参考文献
インテルのIRのサイト
https://www.intc.com/investor-relations/
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